Nazca Neo Linka 導入事例 CASE01

 

稼働状況の見える化で稼働率が5%アップ!
kintone連携によりDXと新事業創出にも貢献


野澤鉄工ロゴ




有限会社 野澤鉄工 様

サンプル


100台を超える工作機械、生産進捗が把握できない
ボトルネックを解決したい

1950年創業で、切削をはじめとする金属加工業を営む有限会社野澤鉄工。グローバルに展開している自動車部品メーカーを主な取引先とし、量産部品の加工を行っています。
取り扱い部品は、自動車や農機具、電機向けの内燃機関やブレーキ回りなど。とくに自動車関係部品はクルマの安全にかかわる重要保安部品が多いといいます。高い品質とそれを実現する生産体制により、野澤鉄工は長年にわたる信頼と実績を得てきました。

野澤鉄工様 社屋

同社の高い生産性を支える工作機械は、なんと100台以上。そんな同社では2022年3月に、工場設備の稼働監視システム「Nazka Neo Linka(ナスカ・ネオ・リンカ、以下:Linka)」を導入し、うち23台の生産状況をリアルタイムで見える化しました。

常務取締役の野澤敏勝さまは、Linka導入前の課題は3つあったと語ります。

野澤敏勝氏

常務取締役 野澤 敏勝 氏

「1つ目に、予実管理が難しかったことが挙げられます。いくつかの工程を経て成型する部品が多いのですが、工程が増えるにつれて生産進捗も見えづらくなるのです。目標生産数に対して今どれくらいの実数が生産できているのか、納期に間に合うのか、予実が把握しづらくなっていました。

2つ目に、1日の出来高をチェックする帳票が紙だったので、数字の集計に手間取っていたことがあります。帳票には、1日の出来高の目標と不良数のほか、寸法数値も記入しています。その帳票を回収し、Excel(※1)に落とし込んで状態を把握する……それだけでかなりの時間がかかっていました。

3つ目は、生産の遅れに気付けるのが、いつも納期の差し迫ったタイミングだったことです。生産進捗が見える化されていないため、月末などに『間に合わない』と気付くのです。そのために急を要する対応や残業が発生していました。

幸い、弊社では1台の工作機械を1人のオペレーターが管理する体制を取っています。工作機械ごとには現在の生産進捗が把握できていましたので、それらの情報を束ねて経営層が全体を把握できるようにしたいと考えていました」



全社的に生産進捗を把握するため、野澤さまは生産管理システムや販売管理システムの導入も検討をしたといいます。一方で、2021年には発注管理をするためkintone(※2)を導入していました。

「Linkaを導入する半年ほど前のこと。工具や材料の発注を管理していたシステムを、kintoneに切り替えたんです。備品や原材料の情報を一元管理するために、人から勧められての判断でした。使い込むうちに、kintoneを応用すれば生産管理の仕組みも構築できるのではないか、と思うようになりました。


そんな中、2022年4月頃に新明和ソフトテクノロジさんの『設計・製造から工場の見える化までトータル支援!製造業のためのセミナー』をたまたま受けまして。Linkaとkintoneを使ってやりたいことが実現できそうだ!と商談を進めることになりました」


Linkaの決め手は、メーカー・年式問わず
既存の工作機械と接続できたこと

生産管理システムや稼働監視システムといえば、工作機械メーカー各社が提供している製品もあります。数あるシステムの中から、野澤さまがLinkaにした決め手は何だったのでしょうか?


「Linkaを入れようと思った理由は、さまざまなメーカーの工作機械と連携して稼働監視データを統合できるからです。実は、工作機械メーカー由来のシステムは、異なるメーカーの工作機械データを取得できないことがほとんどなんです。例えばA社の生産管理システムでは、A社製の設備に接続できてもB社製の設備には接続できません。

一方、Linkaはメーカーや年式を問いません。さまざまなメーカーの工作機械を使用している弊社ですが、既存の工作機械もLinkaと接続可能だと分かり導入を決めました」

 

そんな野澤鉄工の事務所では、パソコンの横に置かれたモニターに、工作機械23台分の稼働状況が1画面上に映し出されています。

 

信号灯から機械の稼働データを取得し、タブレットやスマホに「加工中」「加工停止」「非常停止」「待機中」の状況をリアルタイムに表示します。稼働状況のデータはkintoneに蓄積され、稼働成績も一覧で確認できます。

kintone活用イメージ
kintone活用イメージ

稼働監視のイメージ図
稼働監視のイメージ図

稼働データ管理イメージ図
kintone上での稼働データ管理イメージ図


「工作機械の加工状況を常にウォッチすることはありませんが、非常停止が起きたらすぐに気付ける状態になりました。とても安心です」と野澤さま。

 

工場内にも4カ所にモニターを設置し、現場でも稼働状況をチェックできるようにしています。生産進捗もモニター上で確認できるので、リーダー層が都度遅れを補正するのに役立っているとのこと。

 

工場内の約4分の1にあたる工作機械について稼働状況を見える化した野澤鉄工。Linkaを導入してから、どのような成果が得られたでしょうか?

 

「工作機械の稼働率が、昨対比で約5%も向上しました。各自の生産性が数字に表れるので、オペレーター個々人のモチベーションが上がったお陰だと思います。オペレーターによる生産のばらつきが目立たなくなってきました。

やはり、工作機械ごとの稼働率が数字で明示できるようになったのは、大きな成果ですね。以前は、生産進捗が遅れるたびに生産会議を開いていました。週に1回は集まっていたでしょうか。それが今では、月1回の全社会議で済んでいます。

リアルタイムな稼働状況データから、ちょっとした遅れの兆候を捉えてその場で指摘・補正できるようになったためです。見えないところが見えるようになるのは重要ですね」






稼働状況の見える化はDXへの第一歩、
今後は生産管理というネクストステップへ

総じて課題が解消した印象の野澤鉄工。Linka導入までの一連の流れの中で、不安だったことはないでしょうか?

 

「不安といえば、私が専門的なことがまったく分からない状態でスタートしたことでしょうか。それでも新明和ソフトテクノロジさんが丁寧にサポートしてくださったお陰で、当初の予定から大きくズレることなく稼働できたのはありがたかったです。今回、IT導入補助金も使用しましたが、その申請スケジュールにあわせる形でシステムの構築も進めてくださいましたし、前もって関連資料をいただくなど細やかな支援をいただけました」と野澤さま。

 

 

新明和ソフトテクノロジ 奥沢宏幸

新明和ソフトテクノロジ
奥沢 宏幸

開発が順調に進んだ背景として、営業を担当した新明和ソフトテクノロジ ソリューションビジネス部 東日本営業グループ 営業ユニットの奥沢宏幸は、「野澤さまには前向きに取り組んでいただき、さまざまな情報をご提供いただいたお陰です。例えば、100台ある工作機械のうち何台をLinkaで見える化しようかと話し合った際も、所有設備の一覧シートを野澤さまが作成くださいました。一緒にシステムを作り上げていただいた感覚があります」と開発当時を振り返りました。

そんな野澤鉄工では、生産管理システムの構築という次なるステップに向けて、kintoneの活用に乗り出しはじめています。今後の展望はいかがでしょうか?

 

「工場の見える化が達成できたので、次なるステップでは、生産管理の仕組みの構築を目指します。すると、生産に関わるさまざまな業務が効率化され、本当の意味でDXが叶っていくでしょう。Linkaを含め各種のシステムをkintoneと連携できる環境をつくれたことが、弊社がDXを進める土台になりました。

 

また、先ほどお話しした会議時間など、様々な間接作業が省かれたお陰で、生産余力が生まれました。その余力を生かして、現在メインとしている大量生産品のほかに、小ロット多品種の部品や、既存の分野以外の部品も手がけはじめています。今後はさらに、新たな事業の柱も作っていけたらと思います」

 

最後に、野澤さまのDXに対する考え方についてお聞きしました。

 

「近年、とくに自動車業界においてコロナ禍による減産やEV化の影響が大きく、弊社も苦戦してきました。このピンチをチャンスに変えるためにも、今、“何か”動き出さなければいけないことは明確です。
その“何か”の1つが、弊社にとってはDXでした。DXにはどの中小企業も苦労していると思いますし、二の足を踏んでしまう気持ちもよく分かります。ただ、既存の考え方から脱却し、先進的な分野にチャレンジすることが生き残りへの道です。まずは一歩目を踏み出せるかどうかが大事だと思います」

 

自社の課題を見極め、ボトルネックの解消からDXの一歩を踏み出した野澤鉄工。高い技術力を生かした業態転換を図ろうとしている同社の現状に、踏み出す1歩の大切さを教わった好例でした。



※1)Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※2)kintoneは、サイボウズ株式会社の登録商標または商標です。





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